
- 図1.ミヤマクワガタの調査結果
(2009年度・2010年度 いきものみっけ)
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- 図2.ミヤマクワガタとノコギリクワガタの分布
(2009年度・2010年度いきものみっけ)
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- 図3.ノコギリクワガタの調査結果
(2009年度・2010年度 いきものみっけ)
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- 図4.カブトムシの調査結果(2009年度・2010年度 いきものみっけ)
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- 図5.関東地方におけるノコギリクワガタとカブトムシの分布
(2009年度・2010年度いきものみっけ)
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- 図6.カブトムシとミヤマクワガタの分布
(2009年度・2010年度いきものみっけ)
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ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタ・カブトムシの3種について、2009年・2010年の2年間の結果から、それぞれどのような環境に分布しているのかに注目し、それらの分布の違いがどのような生態の違いによるものかを考えてみました。
● ミヤマクワガタ 報告件数:2009年度 114件、2010年度 73件
2010年いきものみっけでは、2009年と比較して報告件数は少なかったものの、2009年に報告がなかった秋田県から2件、2009年に1件であった岩手県から2件の報告がありました(図1)。 ミヤマクワガタとノコギリクワガタの分布を示したのが図2です。ノコギリクワガタがおもに平地から山ろくにかけて分布するのに対し、ミヤマクワガタはそれよりもやや標高が高い山地からの報告が多くありました。東北地方や北海道では、報告件数が多くないためはっきりしたことは言えませんが、南の地域に比較して標高の高くない場所にも生息している傾向があるようです。
● ノコギリクワガタ 報告件数:2009年度 165件、2010年度 128件
2010年いきものみっけでは、2009年に報告がなかった石川県から2件、2009年に1件であった北海道から3件の報告がありました(図3)。2009年・2010年のいきものみっけで、コメントに「木にいるノコギリクワガタを見つけた」とあり樹種が書かれている報告の中で、最も多かった樹種はクヌギでした(合計15件)。ついで、コナラが合計5件、ヤナギが2件でした。クヌギは、カミキリムシやボウトクガの仲間の幼虫にその材が食べられ、樹液を出すことが知られています。樹液を出しているクヌギがあるような雑木林は、昆虫の多様性が高い林といえるかもしれません。
●カブトムシ 報告件数:2009年度 254件、2010年度 235件2009年・2010年いきものみっけにおけるカブトムシの分布は図4のようになりました。北海道からは合計4件の報告がありました。北海道では、もともとカブトムシは生息していませんでしたが、昭和40年代に道外から持ち込まれ養殖されたものが広がって、現在ではほぼ全道に生息しているといわれています。エサとなる樹液などをめぐって、ノコギリクワガタなどの在来種との競合が起き、在来種がカブトムシに排除されている可能性も考えられます。
図5は、関東地方におけるノコギリクワガタとカブトムシの分布です。特に首都圏ではカブトムシが見つかった地点の方が多くあります。ノコギリクワガタの幼虫は、立ち枯れの木の根本や、地面に埋もれた朽ち木の中などで育ちますが、公園など都市の緑地では、手入れによってすみかとなる枯れ木や朽ち木が取り除かれてしまうのが普通です。それに対し、カブトムシの幼虫は腐葉土の中で育ち、枯れ木や朽ち木のあるような林でなくても発生することができるため、都市環境においては、幼虫が生息できる場所はカブトムシの方がノコギリクワガタよりも多いと推測されます。
また、カブトムシとミヤマクワガタの分布を示したのが図6です。ミヤマクワガタは、平地にはあまり分布していませんが、本州では標高が比較的高い場所にもカブトムシが分布しており、ミヤマクワガタと分布が重なっている地点もあります。
カブトムシは、ノコギリクワガタとの比較で述べたように、幼虫のエサが腐葉土であるため、公園の落ち葉捨て場や農地のたい肥置き場などでも発生します。また、ノコギリクワガタやミヤマクワガタの幼虫が朽ち木で育つのに対し、カブトムシの幼虫は地中にすみ、乾燥や気温の変動、地表の攪乱の影響を比較的受けにくいということが考えられます。このような理由からカブトムシは、平地からやや標高の高い山地まで、ノコギリクワガタやミヤマクワガタに比べると幅広い環境に適応していると考えられます。

















