報告件数:2009年度 243件、2010年度 503件

 
図1.アメリカザリガニの調査結果<br>(2009年度・2010年度いきものみっけ)
図1.アメリカザリガニの調査結果
(2009年度・2010年度いきものみっけ)
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図2.1984年におけるアメリカザリガニの分布(環境庁第3回身近な生きもの調査)
図2.1984年におけるアメリカザリガニの分布
(環境庁第3回身近な生きもの調査)
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アメリカザリガニは北アメリカ南部原産の外来生物で、日本には1927年に神奈川県に持ち込まれたのが最初の移入といわれています。2010年いきものみっけでは2009年に引き続き、現在アメリカザリガニがどの程度広く分布しているのかを調べました。

2009年と2010年のいきものみっけの結果(図1)は、ともに1984年の環境庁(当時)第3回身近な生きもの調査の結果(図2)とほぼ等しい分布を示しました。いきものみっけの報告があった場所では、アメリカザリガニが定着していると言えます。またその分布は平地に集中しています。報告されたみつけた場所は、田んぼや川のほか、公園の池、用水路、側溝など様々で、都市部にあるやや汚れた水域にも適応して広く生息していることがうかがえます。

アメリカザリガニが移入される以前に、北アメリカ北西部から移入され最初に北海道で放流されたウチダザリガニは、水質が良く水温の低い水域を好みます。そのため、北海道・青森県・秋田県・岩手県に生息する日本固有種のニホンザリガニへの影響が心配されています。一方アメリカザリガニは、水温が高めで水質があまり良くない水域に生息しますが、いきものみっけでも報告があったように北海道や東北地方にも生息しています。ニホンザリガニより温暖な気候を好むアメリカザリガニですが、寒い時期や乾燥すると穴を掘り休眠して過ごすこともでき、今後気温の上昇によって北海道や東北地方で分布を拡大する可能性もあります。

アメリカザリガニは小学校で飼育観察の教材に用いられたり、ペットショップで販売されるなどして身近な生き物になっています。しかし、様々な小動物を捕食したり水草を切ったりするために、希少な水生昆虫や水生植物に影響があるのではないかと言われています。みっけにんの方からの報告に「両生類が産卵する水路で、ザリガニは大変な厄介者。以前は大量に生息していたが、駆除活動によって減少した」というコメントがありました。在来の生き物の生息を脅かさないようにするため、生息していない場所へは放さないようにすること等気をつける必要があります。

参考文献
伴 浩治(1980)アメリカザリガニ --侵略成功の鍵.日本の淡水生物 --侵略と攪乱の生態学.川合禎次ほか 編.37-43.東海大学出版.
齋藤和範(2002)ウチダザリガニ.外来種ハンドブック.日本生態学会編.P168. 知人書館.
伴 浩治(2002)アメリカザリガニ.外来種ハンドブック.日本生態学会編.P169. 知人書館.