
- 図1:ミヤマクワガタの調査結果(2009年度いきものみっけ)
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- 図2:ノコギリクワガタの調査結果(2009年度いきものみっけ)
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- 図3:カブトムシの調査結果(2009年度いきものみっけ)
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- 図4:ミヤマクワガタとノコギリクワガタの分布(2009年度いきものみっけ)
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- 図5:1998年におけるミヤマクワガタの分布(環境省第5回自然環境保全基礎調査)
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- 図6:カブトムシとノコギリクワガタの分布(2009年度いきものみっけ)
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- 図7:カブトムシとミヤマクワガタの分布(2009年度いきものみっけ)
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2009年いきものみっけでは、ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタ・カブトムシの3種について、それぞれどのような環境に分布しているのかに注目し、それらの分布の違いがどのような生態の違いによるものかを考えてみました。
ミヤマクワガタ 報告件数:114
2009年いきものみっけにおけるミヤマクワガタの分布は図1のようになりました。ミヤマクワガタとノコギリクワガタの分布を示したのが図4です。これを見ると、ノコギリクワガタがおもに平地から山ろくにかけて分布するのに対し、ミヤマクワガタはそれよりもやや標高が高い山地からの報告が多くありました。コメントにも、キャンプや山菜採りなど、出かけた先の山林で見つけたと思われるものが多数ありました。
図5は、環境省の第5回自然環境保全基礎調査におけるミヤマクワガタの分布です。この図は1998年までの分布の記録ですが、今回のいきものみっけの結果(図1)と比較すると、分布のパターンはよく似ています。ミヤマクワガタの生息環境は、1990年頃と比べて大きな変化はなく比較的保たれているといえるのではないでしょうか。しかし今後、温暖化により気温が上昇した場合、ミヤマクワガタはより標高が高い場所に分布するようになる可能性も考えられ、長期的に注目していく必要があります。また、今回の調査ではミヤマクワガタの報告件数は114件とそれほど多くはありませんでしたが、専門家による調査や既存の文献の記録をまとめたものに近い情報が得られたことは、大きな成果です。
ノコギリクワガタ 報告件数:165
2009年いきものみっけにおけるノコギリクワガタの分布は図2のようになりました。図4からわかるように、ノコギリクワガタは、ミヤマクワガタに比べて平地に多く分布しています。家の周りで見つけた、商店の灯りや街灯に飛来していた、というコメントが多くあったことにもそれがあらわれています。
しかし、近畿・山陰地方では、比較的標高の高い場所でノコギリクワガタが見つかっています。これらの地方では、夏の気温が平地では高いために、関東地方などに比べるとやや標高が高いところがノコギリクワガタの生息に適しているのかもしれません。
木にとまっているのを見つけた、という報告の中で最も多かった樹種はクヌギでした。今後の調査で、とまっていた樹種やみつけた場所が何の林だったかといった情報も集めることができれば、ミヤマクワガタとの生息環境の違いがよりはっきりしてくるでしょう。
ノコギリクワガタの分布(図2)とカブトムシの分布(図3)を比べると、関東地方、特に首都圏ではカブトムシが見つかった地点の方が多くあります。ノコギリクワガタの幼虫は、立ち枯れの木の根本や、地面に埋もれた朽ち木の中などで育ちますが、公園など都市の緑地では、手入れによってすみかとなる枯れ木や朽ち木が取り除かれてしまうのが普通です。それに対し、カブトムシの幼虫は腐葉土の中で育ち、枯れ木や朽ち木のあるような林でなくても発生することができるため、都市環境においては、幼虫が生息できる場所はカブトムシの方がノコギリクワガタよりも多いと推測されます。今回の調査では個体数の比較はできませんが、都市部では手入れをしすぎない緑地も残しておかないと、ノコギリクワガタが身近に見られなくなってしまうかもしれません。
カブトムシ 報告件数:252
2009年いきものみっけにおけるカブトムシの分布は図2のようになりました。今回のカブトムシとノコギリクワガタの分布を示したのが図6です。これを見ると、カブトムシとノコギリクワガタは平地での分布のようすが似ていますが、やや標高の高い場所にはカブトムシの方が多く分布しています。カブトムシとミヤマクワガタの分布を示したのが図7です。ミヤマクワガタは、平地にはあまり分布していませんが、本州では標高が比較的高い場所にもカブトムシが分布しており、ミヤマクワガタと分布が重なっている地点もあります。
カブトムシは、ノコギリクワガタとの比較で述べたように、幼虫のエサが腐葉土であるため、公園の落ち葉捨て場や農地のたい肥置き場などでも発生します。また、ノコギリクワガタやミヤマクワガタの幼虫が朽ち木で育つのに対し、カブトムシの幼虫は地中にすみ、乾燥や気温の変動、地表の攪乱の影響を比較的受けにくいということが考えられます。このような理由から、平地からやや標高の高い山地まで、カブトムシはノコギリクワガタやミヤマクワガタに比べると幅広い環境に適応していると考えられます。

















