ウグイスは、「今年初めてさえずりを聞いた日」を報告していただきました。各都道府県で最も早い報告日を「最早日」、その都道府県で2件目に報告のあった日(報告件数が3件以下の場合は最も早い報告)を「初鳴き日」と定義し、集計を行いました。その結果をまとめたのが表1です。

全国で最も早い報告日があったのは鹿児島県霧島市の1月30日で、最早日が最も遅かったのは、高知県四万十市の4月21日でした。

各都道府県の初鳴き日を月別に色分けしたのが図1です。これを見ると、初鳴きの月が、ほぼ沖縄から九州、四国、近畿地方と東海地方・関東地方の太平洋側にかけての地域は2月、北陸、中部、関東北部の地域は3月、東北地方以北は4月と、南から北へと推移しているという結果が得られました。

気象庁の生物季節観測によると、ウグイスの初鳴きは1月下旬に伊豆諸島に始まり、沖縄、九州地方と四国・近畿・関東地方の太平洋側を結ぶ地域では2月中に初鳴きが観測され、その後初鳴き日の等期日線は北上して3月末には東北地方南部に達します。北海道西部に到達するのは4月下旬です(図2;1971年〜2000年の平年値)。
表1:ウグイスの結果
表1:ウグイスの結果
 図1. ウグイス初鳴き日(2008年度 いきものみっけ)
図1. ウグイス初鳴き日(2008年度 いきものみっけ)
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図2. ウグイス初鳴き日の等期日線図 (気象庁 1971年〜2000年の平年値)
図2. ウグイス初鳴き日の等期日線図 (気象庁 1971年〜2000年の平年値)
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これと2008年「いきものみっけ」の結果を比較すると、四国地方、近畿地方と東海地方・関東地方の太平洋沿岸の都道府県では、初鳴き日の報告が2月と気象庁の観測より早くなっており、それ以外の地域ではほぼ同様の傾向がみられます。

ウグイスは、春先に繁殖のため平地から山地へ移動し、北海道では本州から渡来します。このため、同じ都府県でも、さえずりが確認された場所が平地か山地かで初鳴き日が大きく異なることがあります。

気象庁の観測値は、全国約100カ所の気象官署において地点を決めて観測しているものです。一方、「いきものみっけ」では異なる市町村から広く報告がよせられるため、同じ都道府県でも気象庁の観測値よりも早い初鳴き日の報告があると考えられます。しかし、今回の高知県の結果のように、報告件数が少ないと、逆にその都道府県が非常に遅い初鳴き日を記録してしまう場合があります。

野鳥のさえずりは繁殖行動のひとつで、日長により引き起こされることが知られており、地球温暖化が直接的に影響を及ぼしているという報告はこれまでされていません。しかし、ヒナの主な餌となる昆虫の幼虫が発生する時期は、気温との関係があります。ある種の野鳥では地球温暖化などによって気温が上昇したことが影響し、子育ての時期とヒナの餌となる昆虫の幼虫の発生ピーク時期がずれてしまったことが確認されています。こうした野鳥の繁殖活動の変化は、短期間に把握できるものではありません。

「いきものみっけ」では、今後も調査を継続して行うことで、できるだけ多くの報告を集め、ウグイスの初鳴き日に変化が起きているのかどうかを調べていきたいと思います。