モンシロチョウは、「今年初めて成虫を見た日」という定義で、自然愛好家の方々に報告をしていただきました。各都道府県で最も早い報告日を「最早日」と定義し、集計した結果をまとめたのが表1です。全国で最も早い報告日があったのは東京都瑞穂町の2月8日で、最早日が最も遅かったのは、群馬県伊勢崎市の4月22日でした。次に各都道府県の最早日を月別に色分けしたのが図1です。全体に最早日は3月が多いものの関東から西には2月の県が、関東より北には4月の県が見られます。しかし、報告が0であった県が8、報告があっても件数が3件以下の都道府県が18であったため、はっきりとした傾向をつかむのは難しい結果となりました。
表1:モンシロチョウの結果
表1:モンシロチョウの結果
図1:モンシロチョウの初見日(2008年度いきものみっけ)
図1:モンシロチョウの初見日(2008年度いきものみっけ)
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図2:モンシロチョウ初見日の等期日線図 (気象庁 1971年〜2000年の平年値)
図2:モンシロチョウ初見日の等期日線図 (気象庁 1971年〜2000年の平年値)
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気象庁の生物季節観測によると、モンシロチョウの初見は2月下旬に九州地方で始まり、3月末には近畿地方・東海地方・関東甲信地方を結ぶ地域に達します。その後、北陸地方・東北地方を北上し、4月下旬に北海道に到達します(図2;1971年〜2000年の平年値)。2008年「いきものみっけ」の結果では、東京都・埼玉県・神奈川県・滋賀県で最早日が2月と、気象庁のデータに比べ非常に早い報告がありました。モンシロチョウは秋に日が短くなると、蛹になり休眠して冬を越し春に羽化しますが、短日条件でも気温が高いと、休眠せず春から夏と同様に10日ほどで羽化してしまいます。また、短日条件で気温が低い環境であっても、春を待たずに羽化してしまう蛹が少数あるといわれています。

関東地方で2月に初見の報告があったのは、冬期の気温の上昇により、これまでより休眠する期間が短くなったり、早くに羽化してしまった成虫でも活動できるようになったりしたためかもしれません。また冬期でも、ハクサイなど食草であるアブラナ科の栽培植物が得られることが、蛹の休眠期間を短くしている可能性も考えられます。

しかし、こうした傾向を把握するためには、全国各地で数多く観察する必要があります。今年のいきものみっけでは通年にわたりモンシロチョウの観察報告をよせていただき、モンシロチョウの発生が早くなっているのかどうかなどの変化について調べたいと思います。