「出穂日」は、気象庁の生物季節観測と同じ基準である「一本の茎から、全部の穂のうち2 割くらいの本数が出てきた日」と定義し、自然愛好家登録をしてくださった方から情報をお送りいただきました。各都道府県で最も早く報告のあった日を「最早日」、その都道府県で3 件目に報告のあった日を「出穂日」として集計しました。その結果をまとめたのが、表1です。最早日を見ると、全国で最も早い報告があったのは、新潟県佐渡市と山梨県富士吉田市の8月3日で、最も遅かったのは熊本県阿蘇市の10月11日となりました。山梨県富士吉田市は環境省生物多様性センターがある場所で、標高約1000mの場所もあります。ススキについても、ススキと同様に秋の訪れが早い寒い地方と、残暑が遅くまで続く西日本では2 か月以上の開きが見られました。

- 図1:ススキの調査結果(最早日)
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- 図2:ススキの調査結果(出穂日)
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また出穂日の報告のあった日を地図に色分けをして表したところ、秋の訪れが早い寒い地方(北)から暖かい地方(南)へ出穂が見られるという傾向は見られませんでした。
そこで、ススキと同じく、2008 年の気象庁の調査結果(表1の右端列)と比べてみたところ、「いきものしらべ」の報告日は、ほとんどの都道府県で気象庁の結果より早めに報告されています。これは同じ地域でも、個体差やまわりの環境によって、穂の出る時期が大きく違うためかもしれません。あるいは、ススキの報告の定義が難しく、「穂の出方で、いつ報告していいのかわからない」というように、参加者の方に報告のタイミングを混乱させてしまったことも原因として考えられます。ススキは秋の七草のひとつで、屋根を葺く材料や家畜の餌として、また中秋の名月に供えるなど秋の景物として、昔から私たちの生活に深い関わりのある植物です。「いきものみっけ」では、この秋を代表する植物であるススキを指標とし、日本の環境の変化を捉えられないかと考え、対象種に選びました。
今年、身近なところでススキを見つけた皆さんには、今年もぜひ同じススキを注意深く観察して、穂の出る時期を気にかけていただければと思います。


















