32 件の報告のうち、2 件以上報告のあった都道府県については、各都道府県で最も早い 報告日を「最早日」と定義しました(表1)。その結果、最も早くマガンの確認情報が寄せ られたのは、9 月 20 日の北海道美唄市で、次いで宮城県登米市より 9 月 21 日に報告があ りました。九州や四国地方からの報告はありませんでしたが、沖縄県石垣市からは 2 件の 報告がありました。マガンが大群で渡来するのは、北海道から島根県辺りまでですが、沖 縄には稀に渡来することがあることが過去の調査でもわかっています。

- 図2:マガンの調査の結果(初見日)
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- 図3:マガンの渡来日の変化(過去に調査された結果を引用※)
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また、各地の最早日の報告のあった地点を地図上に落としてみました(図1)。おおまか な傾向としては、北海道から徐々に本州に、本州では日本海側から太平洋側へ移動してきている様子がうかがえました。マガンは、夏はシベリアなどの北の地方で過ごし、寒くなってくると日本に渡ってきて、冬を越します。北海道の湖沼は渡りの途中に通り羽を休め る場所と言われており、本州には、宮城県の伊豆沼や石川県の片野鴨池、島根県の宍道湖といった多くのマガンがたどり着く湖沼が各地にあります。今回報告のあった場所は、こうした北海道の中継地や本州の渡来地が含まれていました。
図2に示したように、(財)日本野鳥の会で調査された1999年から2008年までの石川県加賀市片野鴨池の最早日の記録からは、徐々に確認される日が遅くなっている傾向が見られ、1999 年には9/5であった記録が2008年には9/27 となり、21日間も渡来が遅くなっていました。一方、北海道苫小牧市のウトナイ湖と、宮城県田尻町、栗原市、登米市の蕪栗沼・伊豆沼では、そのような顕著な傾向は見られませんでした。 「日本雁(がん)を保護する会」の呉地正行氏の調査で、「日本に来るマガンは、ロシア東部のカムチャツカ半島のベーリング海に面したペクルニイ湖周辺で営巣、繁殖していることが分かってきており、また、その繁殖地は地球上でもっとも温暖化の影響を受けやすい地域」との指摘もあります(呉地,2006)。このようなことから越冬地への渡来の時期が遅れたり、渡去の時期が早まったり、秋と春だけに立ち寄る中継地だった場所に越冬するものが増えてきたりといったことが考えられます。「いきものみっけ」をきっかけに、マガンを確認された地域の皆さんには、是非、今後も注意して継続観察していただきたいと思います。
- 引用文献
- 呉地正行(2006)雁よ渡れ.297pp.どうぶつ社.東京.
- ※(財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団からご提供いただいたデータです。上記以外のデータは、(財)日本野鳥の会よりご提供いただきました。



















